白川義員
世界百名山ベスト10に入る6000m峰 マチャプチャレ
ネパール西部の主要都市・ポカラからの代表的な写真で見るマチャプチャレ(6993m)は、まるでマッターホルンのような美しい三角錐の山である。だがマチャプチャレの意味は「魚の尻尾」といい、写真のように双耳峰で、ちょうどこの方角から下から仰ぎ見た山容が、魚の尻尾に見えるのだという。
すぐそばにアンナプルナ連峰(アンナプルナ?峰 8091m、アンナプルナ?峰7555m)が聳える谷間をすり抜けての空撮のため、地平線が垂直に感じるような急旋回のなか、激しい重力に耐えながらの撮影は、まさに戦いだったという。アンナプルナ連峰の周囲をぐるりと2週間以上かけて歩く人気のトレッキングコースからは、マチャプチャレの特異な山形を違った角度から楽しむことができるが、このような至近から双耳峰を捉えたのは、白川義員前人未到の所業である。
ちなみに、このマチャプチャレは宗教上の理由から登山が認められていない。主峰アンナプルナは、人類が初めて登山に成功した8000m級峰であり、世界第10位の高さを誇っている。